平成5年(1993年)の12月に鳥羽市で本院の「はね小児科医院」を開院しました。そして、平成10年(1998年)には志摩市の阿児町に分院である「志摩こどもの城クリニック」を開設しました。当時、東京青山には、国の施設で小児医療や保育、保健などが集約された施設で「こどもの城」という施設があり、私共も小児医療に限らず、保育や子育て支援、小児保健に至る小児に関する総合施設を構築することを夢見て命名して開設しました。実際に、よいこ病児保育室は分院開院と同時にスタートしました。
また、理事長の羽根は、かつて障害児の病棟を担当した事があり、いつかは障害児の医療のお手伝いも出来ればと思ってきました。今は実際には重症心身障害児に関しては、在宅医療が進み、その面でお手伝いをする事が増えてきました。最近では医療的ケア児という言葉があり、それらのお子さんの支援も出来ればと思っております。また、それとは別に、自閉スペクトラム症と呼ばれる発達障害のケアのニーズが増えて、たまたま、スタッフにも恵まれて、本院でそれらの児の療育事業を始めました。当初は三重県内でも小児科の医院に併設された認定の施設としては初めての事業所としてスタートしましたが、今ではニーズがさらに増えたのと、活動範囲を広げる必要性から医療法人から独立したクオールとして認知されるに至りました。今は医療法人童心会と連携して療育活動、学習支援、アート活動、そして徐々にですが就労支援にまで拡大しつつあります。
さらには、ご縁があって、本院において漢方の専門医である先生方のお力をお借りして漢方外来を開設し、今では日本東洋医学会の研修指定医療機関としても診療しておりまして、西洋医学だけでは解決できない分野にもチャレンジしております。また、もとより住民の皆様のニーズに応えることをモットーとして活動してきましたので、今では高齢者の方の在宅訪問診療にも取り組んでいて、令和6年(2024年)からは童心会Swallow訪問診療部として活動を本格化しました。同じくニーズとしては、本院開業時より皮膚科医療にも取り組み、総合病院皮膚科への橋渡し役としてのプライマリーケアを中心に一部美容的なご相談にも応えるようにしています。
今後も、童心会は時代の変化に適応した住民の皆様のニーズにお応えできるような医療グループを目指して、関連医療機関や事業所間の連携はもちろんのこと、他の医療機関や関連の業種の皆様とも連携してよりよいサービスの提供を目指して進んでいく所存でおりますので、今後ともご理解とご協力の程宜しくお願い申し上げます。
医療法人童心会理事長
羽根靖之